Agile Studio Fukui では、スタジオ見学を随時受け付けています。スタジオ内でどのように開発を進めているのか、どういった工夫をしてリモート開発を行っているのかを実際の開発現場に触れていただいて感じていただく取り組みです。先日、福井コンピュータグループさんに訪問していただいた感想を平鍋が小島さんにインタビューした内容を紹介します。

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福井コンピュータホールディングス 情報システム部

エキスパート Microsoft MVP

小島 富治雄さん

平鍋:小島さんの会社、福井コンピュータグループはどんなソフトウェアを開発されているのですか?

小島:福井コンピュータグループは、国内シェアNo.1の建築CADである ARCHITREND や土木測量のCAD BLUETRENDを開発しています。そういえば、平鍋さんも以前3D CADを作られていたそうですね。

平鍋:はい、その流れでソフトウェア設計ツール astah* の開発をはじめた経緯もあります。3Dグラフィックスとオブジェクト指向が好きだったんです。

小島:私もそうです。オブジェクト指向技術が好きで、会社での実際の開発にも、C++やC#などを使っています。Microsoft MVP を2005年から持っています。永和さんはソフトウェア開発の受託ですが、私たちは自社の製品開発なんです。

平鍋:今回の訪問の動機はなんでしょう?

小島:平鍋さんに初めてお会いしたのは、UML Forum/Tokyo 2001 でしたね。弊社にも、2003年の「XPアンギャ」を含めると3回来ていただいて、アジャイル開発関連のご講演をいただいていますね。ありがとうございます。今回は、弊社内でもアジャイル開発にちゃんと取り組み始めたことから、ぜひ永和さんの長年の実践を見学したいと考えまして、建築CADのエンジニアを中心とした17名で参りました。

平鍋:大人数での見学ありがとうございました。ASFの第一印象はいかがでしたか?

小島:カンバンが表示された大きなディスプレイに先ず目を引かれました。それから、全体がホワイドボードになった壁。工夫された空間だと思いました。和のスペースとそこに置かれた坐蒲 (座禅で使う座布団) も良い雰囲気を出していました。

壁を広く使ってアナログでの見える化

大きなディスプレーのカンバンと、和風スペース

平鍋:ディレクターの岡島のこだわりでもあり、工房(仕事人の部屋)のイメージを和洋折衷で出しています。

小島:2つのアジャイル開発の現場を見せていただきましたが、1つの現場ではホワイトボードや紙によるカンバンなどのアナログツール、もう一方では、大きな液晶画面でのカンバンアプリやビデオチャットなどのデジタルツールを活用していました。状況に応じて、アナログとデジタルを使い分けているのがとても参考になりました。今まさに開発で使用中のカンバンの実物を見られたことも、ありがたいことでした。書籍やセミナーで勉強しても、中々分からない実践の部分を見ることができました。また、徐々に開発方法を変えていかれた、という際の成功や失敗のご体験を伺えたのは、大きな収穫でした。これまでのやり方を変えていくというのは、人によっては怖いものなので、社内で様々な抵抗がありそうに思うのですが、御社では、トップからボトムまで誰も変化の足を引っ張っていない感じがして、好ましく思いました。ソフトウェア開発では、よく「変更に強いアーキテクチャー」ということを話題にしますが、「変更に強い組織づくり」というのを感じました。

平鍋:見学の中には、既存のウォーターフォールのプロジェクトがアジャイルを取り入れている例もありましたが、いかがでしたか?

小島:まさに既存のウォーターフォールにアジャイルを取り入れる、というのが関心事でしたので、とても興味深く拝見しました。現在の現場を拝見した後で、経緯を説明したいただいたのが、とても参考になりました。

平鍋:弊社もお客様がいる開発ですので、100%アジャイルという訳にいかず苦労しています。これは、受託でアジャイルを取り入れるときに必ず話題になることですが、契約をどうするか、お客様の役割、どのタイミングでどの会議(スクラムイベント)に参加していただくか、というやり方をある程度はっきりしておかないと、うまく行きません。さて、福井コンピュータさんでの今のアジャイルへの取り組み状況はどうですか?

小島:以前から顧客と直に話をする部署ではアジャイルを取り入れているものもあったのですが、昨年度から建築部門を中心に、パッケージ開発にもスクラムを取り入れだしました。今後は、より多くの開発に採用していくことになりそうです。弊社でも、永和さんとKDDIさん、scruminc が提供しているスクラム研修に参加させてもらいました。やはり集中して体験型で学べる機会は、現場で実践する人が気づきを得るためにも重要だと思いました。

平鍋:現場でご苦労されている点はどんなところですか?

小島:アジャイル開発の経験者が少ない、ということでしょうか。このような見学会などで勉強させていただきながら、試行錯誤で進めているところです。開発部隊だけでなく、営業部隊をどのように巻き込んでいくか、というのも、悩ましいところですね。

平鍋:このあたりは製品開発の大きな課題ですね。PO(Product Owner)サイド、ステイクホルダーの合意づくりや市場からのインプット、これをまとめていくのは大きな仕事です。また、組織としてもどのように編成するのがよいか、戦略がいるところでしょう。本来は1製品1チームにして、BizDevOps の混成でやるのがよいでしょう。これをやるには、現在の開発・サポート・営業という組織の壁を破る必要があり、経営のコミットが必要になります。大きな話です。また、新製品や新機能に限って横断チームを数人で組織し、それをパイロットにして実践を進めてしまうのも手だと思います。​今後、御社はアジャイル開発をどのように進める予定ですか?

小島:建築CADの開発などを中心に、パッケージ製品の開発でスクラムを進めていきたいと考えております。スクラムマスターやプロダクトオーナーを中心に、勉強しながらですね。パッケージ製品の開発では、顧客と直接頻繁に話をしづらいなど、アジャイル開発に向かない面もあるように感じておりますが、かのマイクロソフトですらパッケージ製品の開発をアジャイルで行っていると聞いていますので。

平鍋: 面白いですね。受託開発をやっていると、お客さまとの信頼関係づくりや契約問題でアジャイルがやりにくい場面がよくあります。製品開発であれば同じ会社なのでアジャイルがやりやすい、と思っていました。ところが、製品開発にも逆の課題があるのですか。直顧客の要求、製品としてのロードマップ、そいういうことをまとめていく必要がありますからね。他に見てみたいものはありましたか?

小島:難しいことだと思いますが、できれば朝会やふりかえりの様子も拝見したいものだと思いました。ぜひ見習いたいところです。

平鍋:本日はお忙しい中、多数での見学ありがとうございました。

小島:本当に貴重な機会でした。ありがとうございました。

平鍋:小島さんとは同じ福井エンジニアとして、福井を盛り上げながら、日本、世界へと技術を発信する仲間でずっといたいと思っています。受託開発と製品開発、という違った文脈ですが、アジャイルの実践を進めながら意見交換していきたいです。今後ともよろしくお願いします!

Agile Studio Fukui では、スタジオ見学を随時受け付けています!!

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